2016年07月17日
POLON-Tでタープをお手入れ(撥水加工)
信越シリコーンのPOLON-T

キャンパーを長くづづけた人だけが、いつの日かお世話になる魅惑の液体。
初心者キャンパーではお世話になる必要がないあこがれの液体。
あなたはもう出会いましたか?
いや、この記事を読もうとしているあなたは、今から出会おうとしているのですね。
私はアイツの匂いが好きです。揮発性の溶剤に欠かせないあの香り。
ギアをメンテナンスするということは、あの香りを愛でるのと同義では無いのか?
つまりはキャンプという自然の香りを最大限に楽しむために、科学技術の結晶たる人工的な香りを愛でる。
あーなんか考えてると頭がクラクラするぅぅぅスーハースーハー・・・
ということが無いように、揮発性の化学薬品を扱う場合は換気をしっかり行いながらやりましょう。
この記事の最大のポイントはここ!
さて今回は、タイトルの通り年代物のスノーピークのタープを信越シリコーンのPOLON-Tを使ってお手入れします。
お手入れっていっても、刷毛で塗りたくって乾かすだけです。というか、塗ったそばから乾いていくんですけど。
まず、今回お手入れするタープはスノーピークのヘキサLです。
以前こちらの記事で少し話題に出した、ソトナニ2016の申し込み写真の載っているこのタープ。ちなみに2018年にも使われていますヨォ。結構使うね。

購入は2002年ぐらいではなかったかと思います。10年以上数々のフィールドを共にした、私たちの戦友。
それだけ使えば当たり前のことなんですが、既に数年前から満身創痍の状態です。
道具としての寿命を終えるのもそう遠い未来では無いでしょう。
だからって見捨てたりしないぜ、相棒。君のおかげでソトナニに掲載されたと言っても過言ではないのだから。
あの写真が何故使われたか?もちろん標準キャンパー仕様(初心者でもなく、かと言って超おしゃれでもなく)を網羅していた事もあるでしょう。しかし、私はあの写真が使われた理由についてもう一つ思い当たる節があります。
あの写真「明るい」んです。写真を使う事を決めた方が明確に気づいたかはわかりませんが、選ぶ過程でそのコトを感じたはずなのではないかと思います。
晴天の写真だから明るいの当たり前だと思ったあなた。まだまだですよ。皆さんの「タープ下」の写真はもっと暗く写っているはずですよ。そう、タープ下なのに明るい。すなわちタープの遮光性が悪いんです。仕方がないんです。古いんですから。当然スノーピークさんはそれに気づき、ファブリックの改良を行なったため現行製品は遮光性・UVカット率共に大きく改善を行なっています。つまり今時キャンパーのタープ下の写真はもっと暗い。。。
この子の買い替えは毎年頭を悩ませます。快適になるのは目に見えています。十分に使い倒したので、減価償却も終えているでしょう。でもね、美しいんですよねぇ、あの色と形。メインポールを高々と空に掲げて、そこから滑り降りる流線型のフィギアがいいんだよねぇ。と思いながら全面的に今回と同じ撥水加工をやり直したのが2年前。そして去年はガイをすべて新品に交換。緑のフィールドに会うように黄緑色の太めのガイにして、自在を赤いアルミの削りだしにしました。

シームテープをすべて剥がして、新しいシームを全部アイロンがけで交換したのが二ヶ月前。
ポールも赤い新ポールに少しづつ移行しています。
捨てらんないよねぇ。といことで、今年もまた撥水処理をやることにしました。そして来年は防水とポールの移行完了かな。こうやってキャンパーは捨てられないギアを一つづ増やしていくんだね。
さて、お手入れの話しに戻しましょう。
年季の入った幕体をお持ちの方ならご存知のように、まず経年劣化で失われるのは撥水性です。
そのあとシームテープがはがれ、防水ようのポリウレタンが加水分解でベトベトになってはがれていきます。
POLON-Tは撥水性を回復するための化繊や木材用のシリコーン溶剤です。先ほど書いた様に、この幕にPOLON-Tを塗るのは2回目になります。性能が著しく落ちた訳ではありませんが、少しでも長生きしてもらうために早めに手を打つ事にしました。
ちなみに、最近のネットの情報をみるとポリウレタンのベトベトを回復させるのにもPOLON-T塗っている人たちがいるようですね。表面にシリコーンの皮膜をつくるので、効果として期待できるのはわかるのですが、ポリウレタンの役割は防水であって、撥水では無いので性能回復という意味ではないと思います。あくまでベトベト回復なのでしょう。ただし、タープやフライシートにそもそもポリウレタンのゴリゴリの防水加工が必要なのかという、そもそもの疑問もあったりするので、ベトベトさえ回復すればオッケーという考え方も理解できます。ポリウレタンの加水分解対策もそろそろ時期には来ているので、シロクマとどちらが良いのか来年ぐらいに私も考えることにしましょう。
POLON-Tの購入先ですが、値段が結構違うので、楽天やAmazon等のショップよりこちらのサイトをお勧めします。
決裁はPaypal経由でクレジット決済できます。サイトから注文するとPaypal決済用のURL付きメールを送ってくるので、そのURLから決済すればOK。他の通販よりちょっと手間かかりますが、大した手間ではありません。また、こちらのショップで塗るときに必要になる刷毛やカップもまとめて購入できます。あと、缶からカップに注ぐための口も是非購入してください。これが無いとドバドバこぼれますよ。もちろん刷毛やカップはホームセンターでも売ってます。広い面を塗るためには、幅広の刷毛とそれに対応した間口の缶の方が良いかもしれません。
今回使うPOLON-Tですが、スノーピークのヘキサLに対して2L(1L缶を2缶)用意しました。
2年前は1.5L程で2度塗りできたので十分な量です。一度塗りなら1Lで足りると思います。もちなみに前回余った0.5Lは傘に塗ってみたところ、撥水力がよみがえり、というか安い傘が高級傘なみに生まれ変わり家族に喜ばれました。色々試したくなっちゃうので、ちょっと余分に買っておくことをお勧めします。ただし、ゴアテックス等の通気性が大事なファブリックは駄目です。通気孔を塞ぐ恐れがあります。
使用量で注意点がもう一つ。今回は幕体の撥水力を回復させる為にPOLON-Tを塗るので表面に塗ります。これが、ベトベト回復だと幕の内側に塗ることになります。両方やりたい人は幕の両面に塗ることになるので、溶剤の使用量が倍になることをご注意ください。

溶剤と道具が揃ったら早速塗りましょう。塗るのはあまり気温が高くない日がおすすめです。POLON-Tは揮発性が高いので、気温が高過ぎるとカップに移した溶液があっという間に気化してしまいます。かといって、冬は乾くのが少し遅くなるので、春先がベストですね。今日はまだ梅雨なので程よい気温と湿度です。
まずは塗りやすくするためにベランダにロープを張ります。そう、我が家には庭が無い。だってマンションだもん。こういう時だけは庭がほしいなぁ。。。ベランダに貼るロープの両端は3mぐらいのつっかえ棒をつかいます。夏場はこのつっかえ棒をベランダに立てて、日除けのためシェードを張ったりしています。冷房効率あがりますよ。おすすめです。そして、キャンプの後の幕体の乾燥にもつかったり、今回のようなお手入れにも使えます。
ロープを張ったらそこに幕体をかけて、塗りやすいように広げます。
POLON-Tの開封方法はまずは白い樹脂製の保護キャップの内側のリングをちぎってを外します。

次に金属製の蓋の真ん中を強く押すとバチンと蓋が外れます。

後は樹脂製の内蓋をあけて、注ぎ口のノズルを装着すると完了です。

そして、POLON-Tをカップに出したら準備完了。溶剤が乾かない様にせっせと刷毛で塗ります。カップの溶剤が無くなったら、缶から継ぎ足してすかさず塗ります。その繰り返し。一度縫ったところはすぐに乾くので、もう一度塗ります。2度塗りが終わったら反対側を同じように塗り塗り塗り塗り・・・1時間半ほどで全体を塗り終えました。
今回は前回より手際がよかったのか、0.7L程余りました。これならついでにテントのフライも処理しちゃえるかも。まあ、子供が遊んでくれないと騒ぎ始めたので、今日ではない。
半日ほど乾かして撥水力の確認。

ロゴは一部擦れてますが撥水力はピンピンになりました。パンッと叩けば、雫はすべて落ちる。気持ちいいぃー。
この高機能溶剤がネットでサラリと手に入る。良い時代だ。
是非皆さんもPOLON-Tを手に入れて、幕体への愛を注ぐと同時にあの香りを愛でましょう。
スーハースーハー・・・

キャンパーを長くづづけた人だけが、いつの日かお世話になる魅惑の液体。
初心者キャンパーではお世話になる必要がないあこがれの液体。
あなたはもう出会いましたか?
いや、この記事を読もうとしているあなたは、今から出会おうとしているのですね。
私はアイツの匂いが好きです。揮発性の溶剤に欠かせないあの香り。
ギアをメンテナンスするということは、あの香りを愛でるのと同義では無いのか?
つまりはキャンプという自然の香りを最大限に楽しむために、科学技術の結晶たる人工的な香りを愛でる。
あーなんか考えてると頭がクラクラするぅぅぅスーハースーハー・・・
ということが無いように、揮発性の化学薬品を扱う場合は換気をしっかり行いながらやりましょう。
この記事の最大のポイントはここ!
さて今回は、タイトルの通り年代物のスノーピークのタープを信越シリコーンのPOLON-Tを使ってお手入れします。
お手入れっていっても、刷毛で塗りたくって乾かすだけです。というか、塗ったそばから乾いていくんですけど。
まず、今回お手入れするタープはスノーピークのヘキサLです。
以前こちらの記事で少し話題に出した、ソトナニ2016の申し込み写真の載っているこのタープ。ちなみに2018年にも使われていますヨォ。結構使うね。

購入は2002年ぐらいではなかったかと思います。10年以上数々のフィールドを共にした、私たちの戦友。
それだけ使えば当たり前のことなんですが、既に数年前から満身創痍の状態です。
道具としての寿命を終えるのもそう遠い未来では無いでしょう。
だからって見捨てたりしないぜ、相棒。君のおかげでソトナニに掲載されたと言っても過言ではないのだから。
あの写真が何故使われたか?もちろん標準キャンパー仕様(初心者でもなく、かと言って超おしゃれでもなく)を網羅していた事もあるでしょう。しかし、私はあの写真が使われた理由についてもう一つ思い当たる節があります。
あの写真「明るい」んです。写真を使う事を決めた方が明確に気づいたかはわかりませんが、選ぶ過程でそのコトを感じたはずなのではないかと思います。
晴天の写真だから明るいの当たり前だと思ったあなた。まだまだですよ。皆さんの「タープ下」の写真はもっと暗く写っているはずですよ。そう、タープ下なのに明るい。すなわちタープの遮光性が悪いんです。仕方がないんです。古いんですから。当然スノーピークさんはそれに気づき、ファブリックの改良を行なったため現行製品は遮光性・UVカット率共に大きく改善を行なっています。つまり今時キャンパーのタープ下の写真はもっと暗い。。。
この子の買い替えは毎年頭を悩ませます。快適になるのは目に見えています。十分に使い倒したので、減価償却も終えているでしょう。でもね、美しいんですよねぇ、あの色と形。メインポールを高々と空に掲げて、そこから滑り降りる流線型のフィギアがいいんだよねぇ。と思いながら全面的に今回と同じ撥水加工をやり直したのが2年前。そして去年はガイをすべて新品に交換。緑のフィールドに会うように黄緑色の太めのガイにして、自在を赤いアルミの削りだしにしました。
シームテープをすべて剥がして、新しいシームを全部アイロンがけで交換したのが二ヶ月前。
ポールも赤い新ポールに少しづつ移行しています。
捨てらんないよねぇ。といことで、今年もまた撥水処理をやることにしました。そして来年は防水とポールの移行完了かな。こうやってキャンパーは捨てられないギアを一つづ増やしていくんだね。
さて、お手入れの話しに戻しましょう。
年季の入った幕体をお持ちの方ならご存知のように、まず経年劣化で失われるのは撥水性です。
そのあとシームテープがはがれ、防水ようのポリウレタンが加水分解でベトベトになってはがれていきます。
POLON-Tは撥水性を回復するための化繊や木材用のシリコーン溶剤です。先ほど書いた様に、この幕にPOLON-Tを塗るのは2回目になります。性能が著しく落ちた訳ではありませんが、少しでも長生きしてもらうために早めに手を打つ事にしました。
ちなみに、最近のネットの情報をみるとポリウレタンのベトベトを回復させるのにもPOLON-T塗っている人たちがいるようですね。表面にシリコーンの皮膜をつくるので、効果として期待できるのはわかるのですが、ポリウレタンの役割は防水であって、撥水では無いので性能回復という意味ではないと思います。あくまでベトベト回復なのでしょう。ただし、タープやフライシートにそもそもポリウレタンのゴリゴリの防水加工が必要なのかという、そもそもの疑問もあったりするので、ベトベトさえ回復すればオッケーという考え方も理解できます。ポリウレタンの加水分解対策もそろそろ時期には来ているので、シロクマとどちらが良いのか来年ぐらいに私も考えることにしましょう。
POLON-Tの購入先ですが、値段が結構違うので、楽天やAmazon等のショップよりこちらのサイトをお勧めします。
決裁はPaypal経由でクレジット決済できます。サイトから注文するとPaypal決済用のURL付きメールを送ってくるので、そのURLから決済すればOK。他の通販よりちょっと手間かかりますが、大した手間ではありません。また、こちらのショップで塗るときに必要になる刷毛やカップもまとめて購入できます。あと、缶からカップに注ぐための口も是非購入してください。これが無いとドバドバこぼれますよ。もちろん刷毛やカップはホームセンターでも売ってます。広い面を塗るためには、幅広の刷毛とそれに対応した間口の缶の方が良いかもしれません。
今回使うPOLON-Tですが、スノーピークのヘキサLに対して2L(1L缶を2缶)用意しました。
2年前は1.5L程で2度塗りできたので十分な量です。一度塗りなら1Lで足りると思います。もちなみに前回余った0.5Lは傘に塗ってみたところ、撥水力がよみがえり、というか安い傘が高級傘なみに生まれ変わり家族に喜ばれました。色々試したくなっちゃうので、ちょっと余分に買っておくことをお勧めします。ただし、ゴアテックス等の通気性が大事なファブリックは駄目です。通気孔を塞ぐ恐れがあります。
使用量で注意点がもう一つ。今回は幕体の撥水力を回復させる為にPOLON-Tを塗るので表面に塗ります。これが、ベトベト回復だと幕の内側に塗ることになります。両方やりたい人は幕の両面に塗ることになるので、溶剤の使用量が倍になることをご注意ください。
溶剤と道具が揃ったら早速塗りましょう。塗るのはあまり気温が高くない日がおすすめです。POLON-Tは揮発性が高いので、気温が高過ぎるとカップに移した溶液があっという間に気化してしまいます。かといって、冬は乾くのが少し遅くなるので、春先がベストですね。今日はまだ梅雨なので程よい気温と湿度です。
まずは塗りやすくするためにベランダにロープを張ります。そう、我が家には庭が無い。だってマンションだもん。こういう時だけは庭がほしいなぁ。。。ベランダに貼るロープの両端は3mぐらいのつっかえ棒をつかいます。夏場はこのつっかえ棒をベランダに立てて、日除けのためシェードを張ったりしています。冷房効率あがりますよ。おすすめです。そして、キャンプの後の幕体の乾燥にもつかったり、今回のようなお手入れにも使えます。
ロープを張ったらそこに幕体をかけて、塗りやすいように広げます。
POLON-Tの開封方法はまずは白い樹脂製の保護キャップの内側のリングをちぎってを外します。
次に金属製の蓋の真ん中を強く押すとバチンと蓋が外れます。
後は樹脂製の内蓋をあけて、注ぎ口のノズルを装着すると完了です。
そして、POLON-Tをカップに出したら準備完了。溶剤が乾かない様にせっせと刷毛で塗ります。カップの溶剤が無くなったら、缶から継ぎ足してすかさず塗ります。その繰り返し。一度縫ったところはすぐに乾くので、もう一度塗ります。2度塗りが終わったら反対側を同じように塗り塗り塗り塗り・・・1時間半ほどで全体を塗り終えました。
今回は前回より手際がよかったのか、0.7L程余りました。これならついでにテントのフライも処理しちゃえるかも。まあ、子供が遊んでくれないと騒ぎ始めたので、今日ではない。
半日ほど乾かして撥水力の確認。

ロゴは一部擦れてますが撥水力はピンピンになりました。パンッと叩けば、雫はすべて落ちる。気持ちいいぃー。
この高機能溶剤がネットでサラリと手に入る。良い時代だ。
是非皆さんもPOLON-Tを手に入れて、幕体への愛を注ぐと同時にあの香りを愛でましょう。
スーハースーハー・・・
Posted by ミリオンバレー at 07:35│Comments(0)
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